演習コース

ワシリー・カンディンスキー(Wassily Kandinsky 1866-1944)】

exercise

小屋哲雄講師による演習コース講義

【芸術家は、語るべき何かをもたねばならぬ。形態を支配することが彼の課題ではなく、この形態を内容に適合させることが、その課題なのだから。芸術家は人生の幸運児ではない。すなわち彼には、責務を免れて生きるような権利はない。彼はしばしば、彼の十字架ともなる苦しい仕事を成し遂げねばならぬのだ。自分の行為や感情や思想、それら全てが繊細で手で触れることは出来ないものであるが、しっかりとした素材を形作り、そこから自分の作品が生まれるのである。また、それだから、彼が自由であるのは人生においてではなく、ただ芸術においてであることを彼は知らねばならぬ。
ワシリー・カンディンスキー ( Wassily Kandinsky 1866-1944 )

演習コースは、既成の美術表現に捉われないで、美術そのものを、自由な制作や演習を通して学ぶコースです。

毎回テーマを設定し、講義と制作・講評会で様々な表現を学びます。古代から現代アートまで、幅広く美術を考えます。それによって、「発想力」を強化する事が目的です。造形芸術における指導はその人の実力に合わせて行われるのが通常ですが、一般的にどうしても教えられないものがあります。それは「発想」です。「発想力」とも言い換えられますが、たとえば、絵を描いている時に「バックにこういう色や形を入れたらいいのではないか」「このモチーフはこのように変化させてもいいのではないか」という閃き、これが「発想」です。演習コースでは毎回様々な演習や講義などを通して芸術の底力を形成していきたいと思います。それはきっと皆さんの日頃の制作に役立つでしょう。また、ご参加の会員様同士の活発なコミュニケーションの場としても活用していきたいと思っています。

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【第1回 課題】 2012.2.4開催

与えられたケント紙でオブジェ(モチーフ)を作成し、画用紙にドローイングする。
モチーフとは何か、それを描くとはどういう事なのか、考えてみる。

カトちゃん。紙を破った形を利用します。

カトちゃん。紙を破った形を利用します。

トミーさん。何かの生物の形のようです。

トミーさん。何かの生物の形のようです。

スズキさん。カッターで直線的に紙を切ります。

スズキさん。カッターで直線的に紙を切ります。

N中さん。階段状の形が出来てきました。

N中さん。階段状の形が出来てきました。

フキちゃん。三角形がいっぱいありますね。

フキちゃん。三角形がいっぱいありますね。

上手く立ちそうですね、カトちゃん。

上手く立ちそうですね、カトちゃん。

バラのような形を作るN中さん。

バラのような形を作るN中さん。

ドローイングをスタートさせるカトちゃん。

ドローイングをスタートさせるカトちゃん。

シンプルなモチーフを描写するフキちゃん。

シンプルなモチーフを描写するフキちゃん。

魚の親子を描くトミーさん。

魚の親子を描くトミーさん。

【講評及び意見交換会】

自作について語るカトちゃん。自作について語るカトちゃん。

ゆりこ先生に制作意図を語ります。ゆりこ先生に制作意図を語ります。

「もっとこうした方が良いのでは?」とカトちゃん作品に意見を述べるスズキさん。「もっとこうした方が良いのでは?」とカトちゃん作品に意見を述べるスズキさん。

自作を語るスズキさん。自作を語るスズキさん。

「なぜ魚を作ったのか?」内容を語るトミーさん。「なぜ魚を作ったのか?」内容を語るトミーさん。

このようにオブジェ(モチーフ)とドローイングをセットにして鑑賞しました。このようにオブジェ(モチーフ)とドローイングをセットにして鑑賞しました。

2つを並べると個々で見るより幅が出ます。2つを並べると個々で見るより幅が出ます。

鋭い感覚です、フキちゃん。鋭い感覚です、フキちゃん。

なごやかに意見交換会は進みました。なごやかに意見交換会は進みました。

作品

カトちゃん。破った切れ端も場の要素として利用しました。
カトちゃん。破った切れ端も場の要素として利用しました。
スズキさん。未来風景のイメージです。
スズキさん。未来風景のイメージです。
トミーさん。魚の親子は意表をついていました。
トミーさん。魚の親子は意表をついていました。
N中さん。薔薇の咲く庭のイメージです。
N中さん。薔薇の咲く庭のイメージです。
フキちゃん。風車の表現です。
フキちゃん。風車の表現です。

受講生 カトちゃんの感想

美術演習コースに参加しました。
始まるまでは、どんなものかしらと少し緊張でしたが、始まってしまえばあっという間でした。
テーマに沿って、時間内にどうまとめるかというのが、良い緊張感に繋がりました。時間内にまとめるために、どこまで冒険するかのさじ加減とか、今後の課題です。

制作後の講評&意見交換も楽しかったです。同じテーマなのに、それぞれ、こうも違うのか!(@o@)って。
「そのアイディアおもしろいなぁ」とか「私ならあの作品はもっとこうするかも」とか、普段の制作以上に色々な影響を受けました。
意見発表も、「こんな事思ったけど、的外れかなぁ…。」と思いつつも、なるべく、話してみました。そこで返ってくるコメントで、新たな考えが生まれたり。

この演習の内容って、絵画制作はもちろん、普段の生活にも役立つのかなぁ、って思いました。
時には難しい課題もあるかもしれませんが、今後もチャレンジしていきたいと思います。

アトリエヒュッテ演習コース

※このコースはアトリエヒュッテで1年以上学んだ方又は美術系学校で学んだ経験のある方が対象です。

参加費用

1回 4400円

(通常授業の振替はできません)

開催日時

毎月第1・第3土曜日
17:00-19:00