今回の演習コースは、配布モチーフを象徴的に扱って描くのがテーマです。
古今東西、色々な形で象徴的に絵の中で表現されてきた太い蝋燭がみなさんに配られました。
それをいかにして、物の持つ意味を超えて象徴的に扱って描くかが今回の課題になります。
まず、考え方のポイントをホワイトボードを使って講義しました。
今回は今までの演習コースの中でも高度な内容です。
時間制約の厳しい中で、じっくり考えて制作を始める必要がありますね。
配られた資料をみなさん熱心に読まれています。
カトちゃんは早速、蝋燭の解体から始めました。
ケイコさんも色々とアイデアを練っています。
スズキさんも蝋燭と自分の作品の世界観をいかに合わせるか考えています。
N中さんも、じっくりスタートしました。
さらに蝋燭をカッターで削っていくカトちゃん。。。
今回は課題の性質上、蝋燭に火をつけてもOKです(この記事をごらんの皆さんは真似しないで下さいね)。カトちゃん、炎を観察します。
両方から削って、着火してみました。こうするとまるで生命体のようですね。
ゆりこ先生、ケイコさんの蝋燭にも火を付けます。
スズキさんは、お得意の僧のような人物が入ってきました。
N中さん、象徴の代表である白い百合の花も使います。
蝋燭の炎との表情の差を観察します。
ケイコさん、アイデアとイメージが合致してきましたので、いよいよ制作に入りました。
カトちゃん、両側から着火したロウソクそのものを中心に、色々な世界が広がっています。
半立体絵画になっている・・・。
ケイコさん、2作品同時進行です。どうしても描きたいアイデアが2つ出ました。
今回は彩色される参加会員の多い中、N中さんはデッサンで真っ向から勝負です。
スズキさん、かなり形になってきましたね。
さて、ディスカッションの始まりです!
まずはカトちゃんから本日の狙いを語って頂きました。
最終的なカトちゃんの作品です。
溶けたロウの形がハート形になっていたことから、その形を象徴的に扱うことを考えました。
実際の蝋燭も作品に取り込まれているのが斬新な所だと思います!
横から見るとこんな感じの作品です。
ロウは、蜜蝋などは画材としても使用しますので、とても画面としっくりくるところもあります。
この作品に対してみなさんでディスカッションです。
ケイコさんの作品1点目です。
生命の木の果実から生命の炎が蝋燭を介して現れるイメージですね。
牧歌的な、ホっとするような作品です。
ケイコさんの2点目「やる気スイッチ」です。
様々なスイッチのついたローソクがメインの面白い作品です。
炎の形態も様々で、見ていてやる気がでます!w
2作品の相性もとても良いと思います。
今回のイメージ、明快に語って頂けました。
カトちゃん、「やる気スイッチ」がかなり気に入った様子です。
N中さんのデッサンです。
光と闇の世界を1枚の紙に描いたデッサンです。
中央の横ラインがその境界線なのですが、このままでは単なる帯であり、境界の意志が伝わりません。
そこで、ディスカッション中に哲雄講師がその部分にマスキングテープを貼りました。
なんとそれだけでこの帯は絵の中の1要素ではなく、境界としての意志を持つ表現に昇華しました。
その影響で蝋燭や百合の花の要素もしっかり主張する作品になりました。
テープを貼る前と後で、見え方がどう変わったかの話し合いになりました。
ラストはスズキさんの作品です。東洋的な人物が西洋風な燭台の蝋燭を持ちます。雰囲気があり、完成度の高い作品になりました。
右上から差す光は中世の宗教画的です。色々な絵画を研究しないと、このような表現はサッと実戦では使えません。あえて言うなら蝋燭にもう少し主張性が欲し い所です。なぜ蝋燭でなければならないのか?ここに説得力が出ると尚素晴らしい作品になると思われます。
今回も大変盛り上がった演習コースになりました。
モチーフを象徴的に扱うという勉強は普段の制作にも、ご自宅で描かれる時も大いに参考になりますので是非実行してみて下さい!
さて、次回第14回 演習コースは、3月2日(土)17:00-19:00になります。
ご希望の方はお早めにどうぞ!
演習コース