演習コース、本日で10回目になりました。
本日のテーマは、モチーフ「頭蓋骨の石膏像(女性)」を自由に表現するというものです。
古今東西、頭蓋骨は時代や国籍を超えて絵画や彫刻のテーマになっています。
今月11日まで開催されましたジェームズ・アン ソール展(損保ジャパン東郷青児美術館)
ポール・デルヴォー展(府中市美術館)の作品でも、髑髏は重要なモチーフの1つです。
決してマイナスのイメージばかりではない、人間の持つ色々なイメージを引き出してくれる
頭蓋骨を思いっきり表現するのが今日のテーマです。
こちらが、モチーフの頭蓋骨石膏像(女性)です。
反対方向から見たら、また印象が変わります。陰影が綺麗ですね。
参加者のみなさん、ドクロを見てご自身がイメージするものを大胆に描き始めました!
全体を把握したり、ディテールに拘ったり、色々なイメージを膨らませていきます。
オド君(右)はかなり方針が固まって来たようです。
サトコさんは立ち上がってスケッチです!
まるで、人物画ゼミのモデルさんが来てみたら骸骨だった・・・みたいな緊張感のある会場です(笑)。
スズキさんは作品の天地を逆にしたり、色々な方向から制作しています。
オド君、前回に引き続き社会的な内容も含んでいる感じです。
N中さんはコミカルなドクロのイメージ。
楽しい作品になりそう。
サトコさんもどんどん形が決まってきました。
大胆な構図です。
さて、おまちかねのディスカッションです!
本日はイーゼル制作でしたので、講評会もみなさん立ち上がってのご参加です。
オド君の作品に意見するスズキさんです。
貴重なご指摘が聞けました。
ご自身の顔を使ったゼスチャーでドクロの説明をするサトコさん。
スズキさんの作品です。
闇に浮かび上がるドクロ、その背後には明るい世界が見えます。
綺麗な奥行きを伴っています。
バックはパステルで表現されました。
ところがこの作品、天地を逆にすると全く違うイメージになります。
さっきは奥行きを伴った明るい背景空間が、こちらでは物質感のある床のように見えます。
右側の黒い三角の集積も顔のように見えます。
この工夫は素晴らしいです。
参加者のみなさんからは、こちらのパターンのほうが面白いという声があがりました。
スズキさんの作品ディテールです。
描写も的確で見事ですね。
ドクロは中世の服のような襟を付けています。
オド君の作品です。
ドクロには色々な想い、思想が込められています。
左の変形用紙のパステル画が「生まれる前の世界」右ドローイングが「現在生きている世界観」だそうです。
希望や不安、社会、芸術など、様々な要素があります。
「なぜ?」という問いが3ヶ国の言語で表現されています。
これだけ盛りだくさんに様々な要素を描いても画面はスッキリまとまっていると思います。
そして・・・1番右の何も描いていない紙、これが「死後の世界」です。
この白い紙をそのように見せる為にはあと一工夫、空間的な処理が必要です。
N中さんの作品。「自分の目玉を探すドクロ」です。
これはとても楽しい作品になりました。
ドクロのマイナス面ではなくプラス面を上手く生かした風刺画のような感じに仕上がりましたね。
普段の制作にも充分に応用できそうです。
右側にはキュビスム風の骸骨もいます。
サトコさんの作品です。「人には美醜があるように言われているけど、一皮向けば皆ドクロ」をテーマにしました。
ある意味女性らしい発想だと思います。
唇の部分だけにパステルの赤を乗せたのもよかったですね。
ホクロの位置も効果的です。
今回のテーマは、自分でもどんどん展開できると思います。
是非色々なパターンでチャレンジして頂きたいです。
さて次回、第11回演習コースは、12月1日(土)17:00-19:00になります。
ご希望の方はお早めにご予約下さい!
演習コース