静物画

ユカリちゃんの高度な静物デッサン・「林檎のある静物」画用紙に鉛筆

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第6回アトリエヒュッテ作品展で評判のユカリちゃんの鉛筆デッサンのご紹介です。
林檎4つと2種類の瓶、新聞のモチーフです。
まずはここまで描き切った完成度が本当に素晴らしいと思います。
どの部分をとっても隙がありません。
物の重量感や手触りまで感じるデッサンです。
バックの鉛筆で塗り込んだ黒の発色もとても良く、奥行きを感じます。
 

メインモチーフの3つの林檎です。
とても重厚な描き込みです。
輪郭の表情にもう一工夫欲しい所ですが、3つの前後関係などは大変素直に観察できています。
個々の蔕の形とてもよく観察していますね。
画面作りも達者です。
左にある新聞写真もパキスタンの現在の様子が分ります。
 

倒れた林檎です。
鉛筆のタッチ=林檎の筋模様の一体化した表現ですね。
筋模様は若干、独立させて描いても面白かったと思います。
新聞に落ちる林檎の影も綺麗です。
 

濃い色のガラス瓶と、透明なガラス瓶です。
透明な瓶には水が入っています。
その光の屈折まで捉えています。
濃い瓶にあるハイライトが光の反射を見事に表現しています。
鉛筆のタッチが物の量感と質感の表情にピッタリと合っているのがいいですね。
 

瓶のアップです。
ガリガリと素早く走る鉛筆のタッチ音が聞こえそうです。
蓋の金属質感も素晴らしいですね。
金と白の色を感じます。
 

新聞の端が3つに折れているのがリアルです。
「ああ、新聞ってよくこうなるよね」というみなさんの記憶を呼び起こす事でしょう。
折り目の影もとても綺麗です。
 

「首相、東欧へ原発セールス」の見出しがタイムリーです。
太文字の明暗が新聞面のゆがみとピッタリ合っているので文字の浮きがありません。
新聞のやや黄色がかった色味も感じます。
一見、形を見つけにくい所にも多くのタッチが入っているのにご注目下さい。
見える形を描くだけではなく、描ける形を探している結果がこのように出るのです。
 

新聞の小さい文字も省略しているようで、実はアクセントを充分につけた見応えのある表現になっています。
机の傷まで描き切りました。
デッサンの持つ力そのものを見る人に伝えられる高度な作品になったと思います。
ユカリちゃんのこれからの表現にとても期待できますね。

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