第2回目の演習コースを、3月3日(土)に開催しました!今回も定員になりました。まず始めに講師が本日のテーマをレクチャーします。「主題とモチーフについて考える その2」です。
いつも、教室で与えられるモチーフ。又は自分で描きたいものを準備する場合のモチーフ。そのモチーフの表現を突き詰めてみよう!というのが今回の課題になります。
モーリス・ルイスの「フローラル・シリーズ」の作品を参考に「モチーフと表現について」の問題をお話します。
みなさんに与えられたモチーフは写真雑誌。主題は「言葉」です。その言葉を主題に、与えられた雑誌を使ってコラージュとドローイングで表現して頂きます。色々構想を練るスズキさんです。
雑誌から色々な要素を切り取る初参加のサトコさんです。細かい作業です。
ダイナミックに写真を切り取るN中さん。今回から演習コース専科になりました。
フキちゃんも独自の感覚を出していきますね。
ストーンさん、初めてのご参加で頑張っておられます。画面構成を試行錯誤中。
カトちゃん。色々と熟考中!画面の中心に貼る要素は決まってきたようですね。
みなさん、集中して制作中です。主題に対して何を回答に選んだのか、とても楽しみです。
さて、いよいよ講評会とディスカッションです。1点ずつ主題の紙と作品をセットにしてイーゼルに置き、ご参加の皆さんで感想を言い合います。スズキさん、今回の作品について語りました。「暑い」が主題です。
柔らかいをテーマにした、サトコさんの雰囲気豊かな世界。発想はとても面白いものでした。
講評ではまず、みなさんに作品について語って頂きます。具体的に考えながら制作しないと、作品を前に話が出来ません。その訓練にもなるのが演習コースです。
それでは作品をご紹介します。スズキさんの「暑い」。冬の特集雑誌から「暑い」をどう導くかが焦点でした。サングラスと植物、赤い車の部分と「言葉」を上手く組み合わせました。創作した男性横顔の描写もテーマには合っていると思います。選んだ言葉のセンスもとてもいいです。
サトコさんの「柔らかい」です。夫婦間の約束と子供たち・犬の待つ家を使って物語風に仕上げました。とても面白い感性です。おうちを立体的に作ったのも面白かったと思います。「柔らかい」という言葉がもうちょっと画面そのものから感じられれば尚よかったですね。
N中さんの「寒い」です。オーロラで現した寒さを男が飲み込むという設定です。「N中さんがご自身で『描く』要素がもっとあればよかったですね」とのカトちゃんの意見が印象的でした。写真の貼り込みで隠された部分も生かしたかったと思います。
フキちゃんの「明るい」です。フキちゃんの感性はとてもよく伝わります。ただせっかくなので、オーロラの1枚写真で構成するのではなく雑誌からいろんな「明るい」要素を使うと良いですね。ただし説明的になりすぎないように。描写した木は面白いです。
ストーンさんの「硬い」です。色々な意味での「硬い」を雑誌から探してさらにドローイングも加えました。チャレンジ精神が旺盛な作品だと思います。カード型の要素を使うならオーロラが隠れてしまうほどびっしり・・・でも面白いかもしれませんね。
カトちゃんの「暗い」です。影のある人物画像を分解し、「写真の人物に描いた影」「描いた人物に写真の影」と、分けた表現が独特です。下にある家の「暗さ」も印象的です。「この写真の切った形が動物的だね」とスズキさんの意見がありました。講師からは、「狙いは面白いけれどこの人物写真の使い方では『注ぐ』行為のほうが目立ちすぎて『暗い』に対する折角のアイデアが主張しきれなかったのではないか。注いでいる先に大きな器の写真をコラージュしたのでなおさらそう見えやすい。自分が表現したいことと別のものが現れすぎていないか、よくチェックしよう。“dARk“の“R“に雑誌タイトルロゴを使用したのは非常に面白い。与えられたモチーフを大切にしている。回りのドローイングした黒の中はもう一工夫欲しい」という意見が出されました。今後の制作の参考になると思います。
ご参加の皆様、約1時間半という制作時間でとても完成度の高いものを制作されました。このような勉強は色々な制作に役立ちますので、次回演習コースもよろしくお願いします。それでは、今回の演習に対するカトちゃんの感想と講師の返答(質疑応答)を最後に掲載致します。
こんにちは。
昨日の美術演習コース 第2回目に参加しました。
第1回目よりもレベルアップした内容で…(;゜0゜)
でも、その分最後の講評とディスカッションがより充実したものになったと思います。
「テーマずれ」に関する、てつお先生のコメントも、印象的でした。
「芸術は、考えないで、心で感じたままに表現するんだ…」と言うような内容の話も聞きます。
でも、この2回の演習コースを受けてみて、それだけじゃないんだなと思いました。
今回の授業で言えば、「私自身は面白い表現ができそう」と思って使った部分が、「実は、違うテーマを表現してしまう可能性を持っている」と言うことです。
「何となく面白くなりそう…」という思いつきを、主題に合わせて再構成…というか、一度整理してみるのが大切なんだなぁと思いました。
次回も、どんな予測不可能な課題が出るか楽しみです(^^) 【カトちゃんより】
カトちゃん演習コース第2回の感想ありがとうございます!第2回の内容を端的にまとめて頂いて感謝です。
その通りです。「心で感じるままに表現」は当然ですがその為には訓練が必要です。作者自身が面白い、表現したい、伝えたい・・・と思う内容をダイレクトに伝えるには冷静な判断(客観的な)とシンプルな表現、その為の画材選択など、いろいろ大切なことがあります。でないと、ぜんぜん作者の意図とは別の部分を人が面白がってる。。みたいにもなります。そういう想定外の面白さも確かに絵(もしくは作品全般)にはありますが、それだけだと作者は納得できません。それは結局偶然でしかなく、2度と出来ないからです。
じゃあ、どう表現を構築したらいいのか??またこのようなテーマでも演習を行いたいので次回もよろしくお願いします^^ 。【てつお講師より】