第11回演習コースは、「磔刑像の名画を抽象化する」がテーマです。ご参加の皆さんに5つの磔刑図からお好きなものを選んで頂き、抽象化したドローイングを描いて頂きました。十字架をリアルな十字架ではなくシンボルとして把握し、それぞれの画面にある一種のオプションも抽象化して取り入れて頂きました。
ご参加の3人の会員様、さっそくプランを練ります。元が巨匠の絵画だけに構成に隙が無く、かえって困難です。
カトちゃんはジョットの図版を選びました。色々考えています。
スズキさんはゴーギャンです。その近代的な画面をいかに生かすかが課題です。
N中さんはグレコです。その流動的な空間は非常にリアルな感じです。
みなさん、徐々にイメージが固まってきた感じで描いています。
カトちゃん、ジョットの画面の雰囲気を上手く捉えていますね。
ではディスカッションの始まりです!N中さん、グレコの十字架のシンボルと具象的要素(聖人の手など)を綺麗に表現しました。調子の幅もあって観やすい空間です。
自作を解説するN中さん。今回は苦労したようです。続きはご自宅で制作のご予定です。
十字架の扱いがとにかく難問の課題です。
カトちゃん、色々積極的に意見を話してくださいました。
スズキさんの作品です。ゴーギャンの構図に忠実に構成されました。
右の図版と比較するとよくわかりますね。ほぼ全てが直線と球と陰影に還元されています。
これも、みなさんの話題がつきない、面白い作品です。
構図的・内容的にもう一工夫できるのではないか、という意見も多く聞かれました。ぜひ油彩画に起こして頂きたいです!
カトちゃんの作品です。ジョットの空間をダイレクトに捕まえて、再構成している工夫が面白いです。聖人を「手」だけにしたり、ミンブス(光背)がレモンの輪切りのようになったり、キリストの顔の傾きを十字架の傾きで表現したり、発想が面白いですね。
ジョットの図版と見比べてみてください。工夫がはっきりとわかります。
けっこうやりきった感のあるカトちゃん。みなさんお疲れ様でした!
さて次回、第12回演習コースは、2013年1月12日 (土)17:00-19:00になります。お申込みはお早めにどうぞ!
演習コース