シゲミさんの静物油彩画(F6)のご紹介です。
大変にしっとりした、色の幅のある作品に仕上がりました。
ポット、煉瓦、ベーグル、巨峰、紫色の布という質感も色も異なるモチーフを上手くまとめ上げられたと思います。
デッサンをじっくりと勉強した成果が現れていますね。
黄色いポットです。ホーローの質感が出ました。
取っ手が胴体に映っているのがリアルですね。反射の光なども綺麗です。
煉瓦です。
もう少し絵具のマティエールが厚くてもよかったと思いますが、この画面にはなじんでいますね。
色そのものは複雑です。
輝くように光の当たったベーグルと、巨峰です。
とても自然な感じになりました。
モチーフとしての張りのある表現になりましたね。
バックも、明るい青の上に暗めの茶系色をかけて、不思議な空間を演出しました。
幻想的ですね。
紫の布も綺麗です。
紫はなかなか難しい色ですが、日本人の感覚には合っている色の様です。
サインもシンプルで綺麗です。
これからのシゲミさんの油彩画表現が楽しみです!
ところでシゲミさんは、私が ヒュッテ通信2014.04.12号 「輪郭線について その2」で書いた内容を実践するために、落書きできるモチーフを持ってきて下さいました。
これがその時の様子です。
やり方をざっとご紹介いたしますと、
自分の手の届くところにモチーフをセットします。
そして、スケッチブックに鉛筆でそのモチーフを描くのですが、
この実験ではわざと均一な線で、漫画のような輪郭線で囲います。
そして、紙に少し輪郭線を描いたら、その同じ部分に、マーカーでモチーフに線を引きます。
この実験から、モチーフの輪郭線にはそれぞれ距離があり、しかも線は連続ではなく分断されている。という結果が出ます。
モチーフのクマの貯金箱は最終的にこのような線が引かれました。
正面からです。
左横から。
右横から。
上から。
下からです。
このような分断された輪郭線が、実は絵画におけるモチーフの輪郭線の正体である、という事を実証する実験です。
この時のヒュッテ通信を読んでいなくて、ご興味のある方、ご連絡頂けたらメールでバックナンバーを送信致します!
油彩画