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真希子さんのキリンのいる静物水彩画F6

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真紀子さんの新作水彩画を紹介いたします

絵の構成とモチーフ

• 木彫りキリン
黄色に黒い斑点、赤と黒の顔という配色は、現実のキリンを模しながらもデフォルメされており、玩具的・寓話的な印象を与えます。耳と角が強調されていることで、動物的な存在感が際立ちます。

• 「MOTHER NATURE」と書かれた円筒容器
自然の母という言葉が、人工物にラベルとして貼られている点が興味深いです。自然を保存・所有しようとする人間の欲望や、自然のイメージが商品化される現代性を暗示しているようにも見えます。

• 石鹸のような矩形ブロック、清潔さや家庭的な日常を象徴する一方で、無機質な形状がキリンや容器との対比を生み、静物画としての緊張感を生んでいます。

色彩と空間

• 背景のグラデーション:淡い水色から黄色への移ろいは、朝焼けや夕暮れの空を思わせ、静謐で優しい空気感を醸し出しています。物語の舞台が現実か夢か曖昧になるような効果があります。
• 青い布の質感:物体を支える台座としての役割だけでなく、柔らかさと冷たさの両義性を持ち、絵全体の温度感を調整しています。

解釈とテーマ

• 自然と人工の対話:キリンという野生動物、自然を象徴する容器、そして家庭的な石鹸という三者が並ぶことで、「自然とは何か」「人間はそれをどう扱っているか」という問いが浮かびます。
• 記憶と物語の断片:それぞれのオブジェクトが、どこかから持ち込まれた記憶の断片のようにも見えます。

まとめ

この絵は、静物画でありながら寓話的で、見る者に「これは何の物語なのか?」と問いかけてきます。「日常の中の詩性」が、ここにも宿っているように感じます。

次回作も楽しみにしています!

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