みなさんは、「鉛筆淡彩」という絵画技法をご存知でしょうか。
「デッサンと水彩画の中間の絵」という意味合いです。
モチーフをある程度鉛筆でデッサンをした後に透明水彩で淡く彩色します。
只今アトリエヒュッテではフルカワ会員がチャレンジされています。
第1作は「キャンティワイン」です。
このように、かなり鉛筆でデッサンしてから彩色されています。
デッサンでも十分通用するレベルまで描き込んでから色を乗せるのがポイントです。
大変きれいな立体感が出ます。
鉛筆淡彩は、デッサンの勉強をした後に水彩画制作に移行したい方が描くと、とてもスムーズに移行が出来る技法です。
蓋の金色ですが、全て水彩で描くよりも金の感じが出ていますね。
鉛筆の黒と水彩は意外と相性が良いです。
ラベルも殆ど鉛筆でデッサンし、部分的に色を乗せています。
お洒落ですね!
ワインの色もほぼ濃い鉛筆の色です。
うっすらと紫が入っているのでワインらしさが感じられます。
同じ紫がバックにも入っているので統一感があります!
藁の部分も藁のらしさが出ていますね。
回り込みもよく描けています。
台と瓶の間の隙間の影をしっかり描いたので安定感があります。
テーブルの影も鉛筆と水彩の絡みが上手くいっていると思います。
落款もあって日本画的な雰囲気もありますね。
続きまして第2作「手」の鉛筆淡彩です。
紐状のものはスケッチブックの紐なのですがそれを手で押さえているポーズです。
かなり鉛筆でデッサンした後にうっすらと透明水彩の肌色をのせています。
手の構造をしっかりデッサンで把握したので、見応えのある素晴らしい作品になりました。
親指と人差し指の間の影に濃い鉛筆の黒を乗せたので画面が締まっています。
指と甲の陰影が立体的で綺麗ですね。
透明水彩のオレンジ色を入れて血色をよく見せました。
爪にはもう少し表情があると尚よかったです。
手首も調子を付けて立体感を出したのちに肌色を乗せたので構造が明快になりました。
このように鉛筆淡彩はデッサンと水彩の丁度中間の表現ですので、対象の構造をしっかりと把握した水彩画を描きたい方にはおススメです。
それ以降、純粋な水彩画を描くときも鉛筆淡彩の経験はとても生かされると思います。
やってみたい方は是非チャレンジしてみて下さい!
デッサン