演習コース 第47回 演習コース(2016.9.3開催) Tweet 2016.09.22 by 哲雄先生 0 第47回と48回の演習コースのテーマは、「与えられたモチーフ(電球型の小物入れ)をモノクロとカラーの絵画で表現する」です。 こちらが配布モチーフの電球型のガラス製小物入れで、口金が金と銀の2タイプあります。 今回は、(1)モノクロ絵画で、電球の中で何かが光っている絵を制作する。 (2)そのモノクロ絵画で表現したアイデアを使って、 さらに発展させた彩色絵画を制作する。 以上2点の展開になります。 モチーフの口金型蓋を外したところです。 電球として扱っても良いし、小物入れとして扱ってもいい課題になります。 本日ご参加のメンバーは5名です。 早速、モチーフをいろいろな角度から見たり、他の要素を加えたりしながらイメージを膨らませています。 マーちゃんは電球の中に別のモチーフを入れるような発想です。 きなちゃん、大きな電球を描いています。 中に風景のようなものが見えます。 スズキさん、今日もマイペースです。 手早くイメージスケッチを描いていきます。 マムマムさんも課題に対するイメージを出すのが早くなってきました。 サトミちゃんもスケッチブックにイメージをまとめていきます。 どのような複雑な画面になっていくのか、楽しみです。 すると、瞬く間にイメージが出来てきたようです! ではディスカッションです。本日はマーちゃんからです。 電球の中にコスモス・レコード・サッカーボール&シューズ・調理用具が入っています。 これらはご主人がお好きだったものだそうです。 マーちゃんは、物理的に光っているものではなく、「気持ち的に光っているもの」を選択しました。 「バックにも、ハート等のような『気持ち』があっても面白いと思う」(サトミ) 「音楽が外に出てもいいかもしれない。レコードそのものが光ったり・・」(スズキ) 「音符が踊っていて綺麗です。もっと踊っても良いかも」(きな) など、積極的な意見が出ました。 講師的には、古典絵画の光がテーマになっている作品を研究して、その光の在り方を取り入れても良いかなと思いました。 電球が割れて、中のものがこぼれ出てもいいですね。 本日のアイデアを解説するマーちゃん。 他メンバー、真剣に聞いています。 いつもながら、サトミちゃんの指摘はなかなか的を得ていますね。 きなちゃんの本日のアイデアスケッチです(画像は一部加工してあります)。沖縄出身の彼女は、「手元に持っておきたい大切なものの容器」として、今回の電球型小物入れを設定しました。沖縄の星砂のスケッチから入りました。沖縄にお帰りになるたびに訪れるビーチがあり、それを「どこでもドア」のような「どこでも電球」というイメージで、つめてみました(具体的なイメージ文章はモザイクにしております)。 電球に入ったビーチの風景です。 手を伸ばして触れようとするのか、 テーブルに置くか・・考え中です。 「光るもの」として夕日を設定したプランです。 蓋を開けた電球容器を持つきなちゃんは少女のころに戻っています。 そして瓶から風景が流れ出て、次の作品に続きます。 電球容器からは波と夕日が出て、中にはパラソルが残りました。 波は幾何学的形態になっています。 この中の1点をモノクロに、1点をカラーで制作します。 さすがにきなちゃん、この短時間で多作です! (以下講師より)そうですね、アイデアはとても面白いですね。ただ、あまりにメルヘン的な要素に偏らないようにする事・電球の形の「電球らしさ」が損なわれないようにする事・少女時代の自分を描く場合は、多少その当時の写真を参考にしたりして、そちらもイメージが変わり過ぎないようにする(ただ、象徴としての少女を使う場合はこの限りではない)などが注意点です。第2案で夕日を眺める自分がなぜ少女時代の自分なのか、理由をもう少し掘り下げられたら尚良いですね。 丁寧に自分の考えを話すきなちゃんです。 人前で話すのも慣れてきました。 電球容器を手にし、その特徴を説明しながら丁寧に自分の考えを話すきなちゃんです。 人前で話すのも慣れてきました。 きなちゃんの世界に積極的な意見が飛び交いました。 スズキさんの作品です。 4点描かれました。1点目、電球の中から花火が光っている設定です。 花火がフィラメントのようになっているのが特徴です(そうですね、電球型ですから当然フィラメントを発想する方がいると思っていました)。 バックにも花火がいっぱいです。 スズキさん的にはもっと電球の形を殺して花火の光を強くしたいそうです。 2点目、「目が光る」作品です。 ちょっと靉光みたいです。 社会を見る目・建築物になっている重なった眼など、面白いと思います。 大地の表現はスズキさん独特ですね。 写真撮影の時、この目をデジタルカメラが人物と認識し、ディスプレイに顔認識の矩形が出るのが面白かったです。 3点目、鏡の中の目、電球の中の目もあります。 「瞳が電球になっていても面白いのでは?」と、サトミちゃんのアイデアをスズキさんは大変気に入りました。 鏡の矩形の構成がシンプルで面白いと思います。 4点目です。 ヒュッテのモチーフの「ワインの騎士」を使って描かれました。 回りの楕円状の形が電球です。 ぼんやりとシュールな顔が浮かんでいます。 「赤外線ゴーグルのようです」と、きなちゃんの意見。 これも煮詰めていけば面白い表現になりそうです! 説明するスズキさん。 短時間でここまでアイデアが出るのは凄いし、電球の扱いがとても自由です。 本物の電球としても捉え、電球形小物入れとしても捉えています。 この4点から、1つをモノクロ、1つをカラーで表現する予定です。 その2点並べて見た時にどれとどれの相性が抜群なのか、考えてみたいですね。 電球のディテールをクローズアップしても面白いと思います。 マムマムさんです。 電球をカゴの中に入れて光を発するオブジェを作りたいと思っているそうです。 実際にオブジェを作るのも今回はアリにしました。 中にはバラが入っています。 マムマムさんご自身はバラはあまりお好きではないそうですが、「花の王道」という意味合いで選んだとの事です。 こちらはカラー画のプランで、モノクロの方はデザイン的な作品にしたい、と楽しそうです。 「飛び跳ねる電球や、飛んでくる電球はどうかな。フィラメントの形を使っても良いかもしれないね」と、スズキさん。バラの扱いがカギになりそうです。 電球形態や光よりも目立ちすぎない様にしたいですね。 解説するマムマムさんです。 最後はサトミちゃんです。 テーマは「心情的なもの」。 1作目は小さい電球と大きい電球が黒電話をイメージするコードでつながっています。 手前の大きな電球がご自身で奥がお母様。 自分はスマホ、お母様はガラケーを使って通信しています。 この場合の光は「安心の光」をイメージし、遠い実家と相模原を安心の光でつないでいます。 背景の畑や家の記号もとても良い感じで配置されていますね。 電球の形は新幹線もイメージしていて、それも「ひかり号」との解釈も出来ますね。 サトミちゃんの作品はこちら側としても解釈するのが楽しくなります。 山と都会を結ぶライン、その山の表現に地図記号を使っても面白いと思います。 自身の電話はスマホより黒電話の方が説得力があるかもしれません。 サトミちゃんは「ホームボタン」「電源マーク」に拘りがありますが、そういったものが付いている黒電話も謎めいていて面白いです。 また、電球の中はキュビズムの手法で表現してはどうでしょうか。変化が出て面白いと思います。 2作目です。 こちらも電話があるのですが、色々な電球・電話・線・・・・数で勝負です。 カラー電球やすりガラスの昔の電球もでてくるかも。 真空管も面白そうですね。 数字はダイヤルの数字の表現の様です。 細かく解説するサトミちゃん。 最終的なタブローをしっかりイメージしています。とても楽しみです! さて次回の第48回演習コースは2016年10月1日(土)17:00からになります。 ご希望の方はお問い合わせください。