演習コース 第44回 演習コース(2016.5.7開催) Tweet 2016.06.01 by 哲雄先生 0 第43回と44回の演習コースは「詩を絵画化してみよう」がテーマです。 吉野朔美の詩「幸福の進化論」がその題材です。 本日の2回目は、制作の後のご参加の皆さんの作品ディスカッションが主な内容になります。 まずはマーちゃんの作品です。よく描いてきましたね! 詩の言葉をそのままに表現した作品になりました。 詩に出てくるほぼすべての言葉が絵画化されています。徹底しています。 「人は生きているだけで幸せである」という思想が背後に流れています。 自作について楽しそうに解説するマーちゃんです。 元々のエスキースです。 4分割画面(右)から1つ取り出して色を付けた大きなエスキース(左)を制作しました。 画中枠について色々工夫されているのがわかりますね。 続いて、きなちゃんの作品です。 こちらが今回の課題の、基本形の作品になります。 メインがこちらの作品です。 4枚で1つの作品になるように描かれています。 思春期の心の揺らぎなどもテーマにしています! 2点並べてみます。 個々の作品はよく出来ていますが並べるとやや似通った表現になっているのが気になるところですね。 ただ似ているからこそ強く伝わる部分があるのも確かです。 左の作品は少し線的要素の影の付け方が強いのではないかと言う意見が出ました。 4つの作品を入れ替えながら解説するきなちゃん。 意外にも空間が繋がります。この4点はF0号ですが、F4のパネルの裏にきっちりとはまることを、きなちゃんが発見しました! エスキースを手に解説します。 支持体をカンヴァスからボードに変えたりしても面白いと思います。 詩と並べると、また別の世界観が見えてきますね。 その後、このように作品が変化しました。 よりドローイングに近くなった印象です。 紙に描かれた形態も洗練されてきましたね。 詩と並べると、とても軽やかな作品になったのが分ります。 マムマムさんの作品です。 詩の中の「人は人に名前をつけた」この1行のみをテーマに描いた作品です。 それはすなわち「束縛」を意味するという解釈です。 深いですね。モチーフにはナスカの地上絵やピラミッドという古代の遺跡などが多いです。 画面は上下に分断されており、上が空想・下が現実のイメージです。 主に白での描写や、下部に人物がいるのも面白いです。 黄色の人物が「私」のようです。 マムマムさんの作品については皆さん積極的に意見を言い合いました。 語りやすい要素で出来た作品です。 サトミちゃんの作品です。 とても高度な表現です。 「混沌とした世界から、名前を付けることでそのものが認識され、浮かび上がってくる」というコンセプトです。モチーフにはトーナメント表、階段、アンモナイトなどが使われ、点線で浮かび上がりを表現しました。 全体的に暗めの画面は、浮かび上がりを強調させるためです。 ミロの作品を参考にした部分もあります。 やや点線が単調になった部分もありますが、発想といい表現力といい、とてもレベルが高いです。 自作を解説するサトミちゃんです。 皆さんも真剣に聞き入っています。 スズキさんの作品です。 詩そのものの内容ではなく、詩のタイトルにあります「幸福論」の「幸福」をテーマにしました。 民族的な模様には、スズキさんご自身の作品の装飾的な特徴もよく出ています。 バックの黒は下色で、白か、もしくは白に近い中間色を上から乗せる予定です。 彩色エスキースです。 楽器を持つ角度など工夫されています。 2点並べると世界が広がりますね。 彩色エスキースがもう1点ありました。 楽器と服に同じような模様が入り、全体感を感じます。 自作について色々お話してくれるスズキさんです。 完成が楽しみです。 本日お休みされた光代さんの作品です。 すごい迫力です。 鳥人間の様です。 こちらの花・魚・鳥のモチーフの作品もすごい描き込みですね。 集中力を感じます。 詩の絵画化は色々と学ぶところがある課題です。 ご自分のお好きな詩を絵画化したりしても面白いと思います! さて次回の第45回演習コースは2016年6月4日(土)17:00からになります。 ご希望の方はお早めにお申し込みください!