デッサン ケイコさんとマスミちゃんの夢のある人物デッサン Tweet 2015.06.18 by 哲雄先生 0 2015年2月7-8日で開催しました「新春人物画ゼミ」での、共通点のあるデッサンを2点ご紹介します。 その共通点とはどちらの作品もモデルさんの全身を入れ、そのために出来た面積のある余白にロマンチックな要素を加えたという工夫です。 まずはケイコさんの作品です。 今回のモデル・まゆちゃんは高校生ですがバレエをされているのでなんと20分立ちポーズにチャレンジしてくれました。 立っている感じのよく出た作品です。 全身を入れるとどうしても余白が多くなるのですが、ケイコさんはそこのバレンタインをテーマにしたハートをいっぱい入れて楽しい雰囲気に仕上げました。 顔の表情もとてもいいですね。 上半身の量感もあります。 鉛筆の調子の幅があって、固有色を感じます。 足と靴もしっかりと描いたので安定感が出ましたね。 地面の影も描いたので自然な足元の空間が出せました。 バレンタインのハート型風船をイメージされたバックです。 飛んでいきそうな風船が画面にリズムを与えています。 ケイコさんのデッサン力ならではの作品になりました! 続きましてマスミちゃんのデッサンです。 こちらは横向きの人物なので更にバックに余白が出来ます。 そこで、デートの待ち合わせと言う設定にしました。 このモデルさんならではの発想ですね。 でも、まだ待ち人は来ておらず、現れたときの嬉しさを影で表現するという凝った作品になりました! この表現は演習ゼミご参加の効果が現れていると思われます。 すこし退屈しているかの表情と、彼が現れた時の喜びを表した影とのコントラストがとても面白いです。 独特な鉛筆の黒も綺麗ですね。 下半身もしっかりと描写しました。 足の前後関係や右手・バック・スカートの位置感などもよく描けています。 影の表現です。 何の資料もない中でよくここまで表現できたと思います。 差し出す手と迎える手の差が面白いです。 男性の力強い足です。 影も強力です。 この度ご紹介したお2人は、ポーズ中は人物描写に集中し、休憩時間にバックの表現を追求するというリズム感で制作されました。 ケイコさんとマスミちゃんのゼミ中の時間の使い方には無駄がなく、その結果このような高度な作品が仕上がったのだと思います。 また次回の夏のクロッキー・秋の人物画ゼミもこの調子で是非ご参加ください!