アクリル画

クラシカルな雰囲気が美しい絵

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こんにちは!皆さんは“勉強“は好きですか?
勉強と一言でいったとしても、その方法は様々で、
受験勉強の様なものから好きを突き詰める様な研究まで…

今回のブログは研究熱心なヒュッテ会員の方の作品をご紹介したいと思います。

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アクリル画(F8)
作者:カワカミさん
制作時間:45時間
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白や象牙色、と似た色の多いモチーフをここまで表情豊に描けているのは、
やはりカワカミさんの技術力、描写力の高さだと思いますが、
技術力が高い、描写力が高いとだけ言って終わらせてしまうのは勿体無いので
もう少し深掘りしたいと思います。

まずはモチーフの描きわけについて

非常に大きく分けて“白“とカテゴリーされるものが多いと最初に伝えましたが、
この白いモチーフ達は素材は全く異なるものです。
石、石膏、粘土など、極め付けは「ゆり」です。
一つだけ植物、つまり水分を含んでいます。

ゆりの花は皆さんご存知の通り他の花よりも厚みがあり
みずみずしさを表現できないと途端にレプリカ感が強くなってしまうので、
蕾や葉の表情に至るまで良く捉えらているなと思いました。
また、遠くから見たらあまり目立たないおしべとめしべを丁寧に描くという姿勢に
「描写へのこだわり」を感じました。
絵の説得力というか仕上がりに大きく差が出る部分に確実に手をかけているところも素晴らしいですよね。
本当に見習いたいです。いや、今から見習います。

白のエリアだけ見ていると一瞬「油彩?」と思わせる部分もあるのですが、
そこはベテランのカワカミさん!しっかりとアクリルらしい色彩の表情も取り入れられていますね。
この絵の全体に漂う重厚感とは相反する可愛らしい表現。
カワカミさんの力量なら小鳥やクロスの印象を全体に合わせた
クラシカルでシックなものに描く事もできると思うのですが、
ここでこの遊び心の様な色の表現があるのは、エスキースの段階での丁寧な仕事はもちろん
普段から多くのアート作品を注意深く見ているからに他ならないなと思いました。

この絵の印象を「重厚感」「クラシック」と表現しましたが、
その印象を見る人に与えているこの絵の最大の仕掛けは 背景の表現 です。

教会やコンサートホール、古城の談話室の空間を演出しているかの様な壁。
この絵の主役は実は壁なのではないかと思うほどの熱量も、
持ち前のバランス感覚でしっかりと背景にしている部分は本当に脱帽です。

気になってこの表現になった理由を確認したのですが、
バロック時代の作品(レンブラントの夜警)などをいろいろ見た事と、
古典技法であるグレーズを油絵具ではなくアクリル絵の具で行ったらどうなるのか…
という試みがあった事がわかりました。
油絵の具でグレーズをする時は薄くした絵の具を重ねて表現していくのですが、
アクリルでそれをする時には一工夫が必要で、
速乾性が特徴のアクリルの乾燥を遅らせる為のメディウムを絵の具に混ぜる事が多々あるのですが、
カワカミさんはマットメディウムを加えて今回の表現に辿り着いたそうです。

その話を聞いた時、本当に勉強熱心だな…と尊敬したと同時に
やはり、研究熱心な方の作品は一味二味違うな…と思いました。

アトリエヒュッテはカワカミさんの様に
自分の表現を研究熱心に探している方のニーズにも応えてくれるアトリエです。
絵のテクニックだけではない講評会や美術教育的なクラス(演習コース)があるのは
ヒュッテ最大の魅力だと思いますので、興味のある方はぜひ一度体験教室から検討されてみてください。

【体験教室のリンク】

※現在、土・日は満席のため、体験教室は平日のみの受付です。
※アトリエヒュッテは少人数でのレッスンです。
 体験教室の方も通常レッスンの方と同じ様に人数をカウントして席を予約いたします。
 日程をよくご確認の上、予約して頂きますようお願いいたします。

最近、体験教室の無断欠席や理由のない当日キャンセルなどマナーに欠ける行為が目立っています。
心ない方が多い事で教室運営に支障が出て「体験教室の間口を狭める」という判断になってしまう事がない様、
体験教室のお申し込みをしていただく際にはぜひ
クリックする前に「本当に行きたい?」と自問してからお申し込みください。

アトリエヒュッテは講師も既存の会員の方も親切でアットホームなアトリエです。
絵画を愛する人が思い立った時にいつでも門を叩けるアトリエであり続けられる様に
ご協力の程どうぞよろしくお願いします。

それでは、また次回!

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