絵を描く上で、様々な美術の知識を得るのは大切な事です。
美術館に行って作品を鑑賞する場合も、知識の有る無しでその見方の深さが違います。
アトリエヒュッテでは、随時、スライドゼミという形で基本的な美術史、同じテーマにおける時代・作家による表現の違いの解説、特定の作家の生涯の絵画についてなどを講義いたします。
また、キュビスムなどの技法をスライドで紹介し、その後同じ描きかたで制作するというゼミも開催しております。
西洋美術の流れ・古代から現代まで
古代から現代まで、美術はどのように変化していったのか、各時代ごとに最も重要視された表現・技法は何だったのか。そして日本にはどのようにして西洋美術は 入って来たのか。
総括的な美術史を、小屋哲雄講師がスライドを使って分かりやすく解説いたしました。
ご参加の皆様、熱心にメモを取りながら、約2時間半の 時間、スライドを見ながら、集中して講義を聞いて頂きました。
開催日 2010年3月22日(月・祝)
2012年9月1日(土)
受講された会員様の感想です。
美術史の通史を講義して下さると聞き、改めて記憶を整理できる良い機会、ということで参加しましたが、先史時代から、リヒターなど現代を代表する作家までを2時間強でここまでコンパクトに追うことができるとは驚きました。
鑑賞目的というより、むしろ呪術的目的のために制作された美術作品は、線遠近法に代表される理論に裏付けされた統一空間や、油彩ならではの細密描写によって、次第に迫真的な自然主義が実現されていきます。
そ して印象派、キュビスム、フォービスムと時代を進んでいくにつれて、「何」であるかよりもむしろ、画面そのものの生命力あふれる構成が求められるようにな り、更には、絵画における純粋性、すなわち「平面性」を重要視する抽象絵画が色々なかたちで現れてきて、現代アートにもつながる基盤ができあがってい く・・・。
「アート・シーン」と「歴史」は違うもので、ただ目新しいだけでなく、伝統を継承した上でそれを乗り越えた作品のみが「芸術」と成りうる、という最後に先生がおっしゃった言葉は、私たちが美術作品と向き合う上で何よりも大切なことだと思います。
よく抽象作品を見ても、「なんだか分からない」と言って、始めから拒絶してしまう姿勢を取ってしまいがちですが、ふと「これも今までの連綿として続いてきた美術の流れの上にあるんだ」と気づくことで、より深くその作品や歴史を知りたい、と思えるのではないでしょうか。
美術史に残る素晴らしい作品を生み出す芸術家は、ただ技術的に優れているだけでなく、過去の歴史を徹底的に学び、それを克服する策をなんとかして生み出す努力をしているのだと分かると、なんだか今まで以上に作品に敬意を示さなければ、と思うようになりました。
とても分かりやすく、ためになる講義を、どうもありがとうございました。
今後も色々なスライドゼミを期待しています。(E会員様より)
ナスカの地上絵からポロック、ルイスにへリングまで広範囲に亘り、沢山のスライドと興味深いお話で、実に中身の濃いゼミだったと思います。2時間を越える講義でしたが、最後まで集中力を切らすことなく先生のお話を聞かせていただきました。後半の20世紀美術についてもなかなか聞けない内容ですごく勉強になりました。
参加できて本当に良かったです。
昔から絵を見ることは好きだったので、よく美術館に行ってはいましたが、今思うと「すごい、きれい、いい、上手い、好き…」のような感覚で見ていたような気がします。それはそれでよかったのですが、その画家が何派の誰々の影響を受けて、何主義の誰々に影響を与えたなどとの解説を読んでも、その何派や誰々たちを知らないと今ひとつピンと来なかったりして…
ところが、小屋先生のゴッホのスライドゼミの後すぐにゴッホのひまわりを見に行って、知識があるのとないとでは、面白さがこんなにも違うんだなと強烈に実感することとなり、それで、これはもっと知らなきゃ!と美術史や興味のある画家について勉強したいと思うようになりました。
美術史の大まかな流れを知ることで、何派(主義)の誰々はこの人のことだったんだとわかった時は、点と点が結ばれたような感じで、絵画鑑賞が俄然面白くなりました。
それから、その時代、時代にそれまでの様式や方法、常識等をひっくり返すような新しいことに取り組んだ芸術家の努力や信念の強さとか、いろいろ想像をめぐらせたりするのも今までにはないことでした。絵を見ることから始まって、自分でも描くようになり、今度は知るという面白さが加わり、私の絵を取り巻く生活が益々楽しく豊かなものになりました。これからも、楽しく、長く「見る、描く、知る」を続けていけたらと思います。
小屋先生の講義はとてもわかりやすくて、楽しく知ることができるので毎回楽しみです。また次回のゼミも楽しみにしています。ありがとうございました!(M会員様より)
スライドゼミ、参加致しました!!
次々に大きなスクリーンに映し出される、貴重なスライド達&明快で端的なてつお先生の解説&驚愕の事実&more…
ぼく自身、驚きの連続でした。。
本当に有意義で興味深く、充実した授業でした!!!
今後の制作にも役立ていきたいです!!!!!
ありがとうございました!!! (N会員様より)
「美術史スライドゼミ」の感想を下記の通り述べたいと思います。
1.絵画の歴史と背景にある特徴や技法が分かり易くて勉強になりました。
2.今後の作品創りに講義の内容が生かせる事もあると思います。
3.講義を前半と後半の2部にして、それぞれの終了時点で10分位づつ20分位の
質疑応答の時間を作ってもよいのではないかとも考えました。
4.以前”キュビズム”のゼミの時のように「テーマ」を作って、それについての講義
をしてもらい、その内容に基づいた作品を作成してみると云う事もしては良いのではな
いでしょうか。
5.これから先も、作品創りに参考になる授業を是非共続けて欲しいと思います。(O会員様より)
「美術史スライドゼミ」を受講して、とても興味深く哲雄先生の話を聞かせて頂きました。美術史のことは何もわからなくて、今までは美術館があればちょっとのぞいてみて、あの絵はよかった、この絵はあまり好きではないとか言っておりました。ただ最近は、絵を教えてもらうようになってからはデパートなどの絵の展示場には必ず観に行って、気に入った絵があったら筆の運び方や絵具の付け方まで、近くで細かく見る癖がついてきています。今回のゼミで、一番強く感じた事は何を描きたかったのか作者の目的を知ることが美術の流れを、また画家の努力や苦労を、少しでも理解することになるのだと思いました。これから絵を描く時、何を表現したいのか強く思い、その思いが少しでも筆にのせれる様頑張りたいと思っています。(T会員様より)
久しぶりにアカデミックな勉強をしたように思います。西洋美術史の大きな流れを、たくさんのスラ イドとわかりやすい語り口で、大きな美術館へ行ったような楽しい錯覚を味わいました。一点の穴から覗いてみる絵も楽しかったです。ラファエロの「一角獣を 抱く貴婦人」も、上野に観に行き、確認してきました。質疑の時間があると、よかったかナーと思いました。先生、ありがとうございました。次回の開催を楽し みにしております。(N山会員様より)
美術の原点については、美術館に行ってもなかなか聞くことが出来なかったので、今回聞けてよかったです。
原点から現代美術まで網羅的に聞くことが出来ました。その間、約3時間弱だったのがあっという間に感じました。
解説のペースは自分としては少し速い感じがしましたが、ご丁寧な解説だったので、メモが良く取れました。
印象派は結構好きなのですが、最初は認められなかったというお話を聞いて少し驚きました。今年2月に府中市美術館で「ターナーから印象派へ展」を観たので、合わせて印象主義の歴史が知れて良かったです。美術館ではあんまり細かく歴史について知ることが出来なかった気がします。「美術史スライドゼミ」、ありがとうございました。(A会員様より)
先日は楽しいゼミをありがとうございました。ナスカの地上絵から始まり現代美術まで盛りだくさんの内容で大変興味深く勉強になりました。
実際の絵を使っての一点透視法の実験など、さすが好奇心旺盛な哲雄先生ならではの講義でわくわくしました。
全体を通して一番印象に残ったのが、「絵画は一瞬にして全てを見ることのできる芸術だ」という話でした。逆に言えば一瞬で人の心を捉えてしまう作品もある反面、切り捨てられてしまう作品もあるということです。それでも常に新しい何かを求めてチャレンジし続ける芸術家の創造への思いの強さを感じました。次回のゼミも楽しみにしています。(マーちゃん会員様より)
これまで、絵画鑑賞をする際には、美術館に行って観るだけでした。先入観がない分、気に入ったものは、素直に感動できるのですが、多数観て行くとだんだん飽きてもきます。でも、その絵について、何らかの知識があれば、観方も変わってくるし、視点も違ってくるので、同じ絵でも色々発見ができるような気がします。
今後、美術展がある際に、スライドゼミを行なって頂き、説明を聞いてから鑑賞に行きたいなぁと思います。(Y会員様より)
美術史の流れで近代キュビスム以後を知る事ができました。講義全体がやさしい言葉で語られ、スライドの映像をポインターで指し示しながらの解説で、理解するのに役立ち、とても分かり易かったです。又是非、スライドゼミを開催していただけたらと思います。今までは誰かと一緒でないと行けなかった美術館に一人でも行けるようになりました。ありがとうございました。(H会員様より)
いつも楽しみにしています。美術の事をよく知らない私も豊かな時間が過ごせました。(K会員様より)
一口に言って、壮大な絵画史の流れに圧倒されたというところがあります。しかし、一つ一つ具体的な作品をスライド写真で示しながらの解説は分かりやすかったです。ナスカ文化の図形から始まったのは新鮮でした。人間が人間としての歩みを始めた(二足歩行の)そのときから、絵画の歩みも始まっていたのだということを再認識できました。人間はギリシャ時代にすでに完成美とも言うべき美の姿を造形していた(ミロのヴィーナス)ということ、キリスト教とともに歩んだ宗教絵画の時代(その精神性の飛躍と呪縛)。ルネッサンスがもたらしたもの、古典派から印象派へ、近代絵画、そしてシュールレアリズムから抽象絵画というダイナミックな流れ、その怒涛のような流れの絵画史の痕跡は確かに心に残りました。新しい絵画の流れをつくった人たちを巨匠と呼ぶという哲雄先生の解説の言葉も印象的でした。なかなか理解できなくて、近づき難かったピカソや、ゴーギャンの世界にも少し近づけた気がしています。シャガールの恋人が寄り添いながら空を飛んでいる「なんで・・・?」と思ったそういう作品の世界も受け入れられるようになりました。
最近再び美術館ブームが戻ってきていますが、先日もマネ展(三菱一号館美術館)を観ていて、彼らがいかに苦闘しながら絵画の中に人間的な世界を取り戻し、開いていったかを目の当たりにしながら、先日のアトリエヒュッテの講義の文脈の中で、絵を観ている自分に気がつきます。私の中に残る今年の収穫のひとつであることは間違いありません。(ストーン会員様より)
美術史スライドゼミ「受胎告知の絵画」
特別企画!「受胎告知」の絵画についてのスライドゼミです。
受胎告知 The Annuciation
『大天使ガブリエルが、神から使わされて、マリヤのところにきて言った、
「恵まれた女よ、おめでとう、主があなたと共におられます」。
「恐れるな、マリヤよ、あなたは神から恵みをいただいているのです。
見よ、あなたはみごもって男の子を産むでしょう。その子をイエスと名づけなさい。」』
(『ルカによる福音書』)