総評:とても完成度の高い静物画です
まず一言で言えば、
「観察力の高さ」と「質感表現の巧みさ」が際立つ作品です。
パステル画は色の重ね方やエッジの処理が難しいのですが、この作品はそれらを丁寧にコントロールしていて、作者の技量がしっかり伝わってきます。
良い点
1. 質感の描き分けが見事
• ガラス瓶の“硬さ”と“光の反射”
• 本の紙と革のような“マットな質感”
• オレンジの“ざらっとした皮の表情”
これらがしっかり描き分けられていて、
「触ったらどんな感触か」まで想像できるレベルです。
特にガラス瓶の反射は、パステルでここまで描けるのは相当な観察力と技術です。
2. 色彩のバランスが美しい
• 背景の青
• 台のピンク
• オレンジの暖色
• 緑の瓶
補色関係を自然に使い、
静物画としての調和とリズムが生まれています。
色の選び方にセンスがあります。
3. 構図が安定している
三つのモチーフが三角形をつくり、視線が自然に循環します。
特に瓶の高さと本の横長のバランスが良く、
「静物画らしい落ち着き」が出ています。
改善するとさらに良くなる点
1. 影の方向と強さを統一すると深みが増す
現状でも十分ですが、
影の落ち方が少しだけ均一で、光源の方向が曖昧に見える部分があります。
影の濃淡をもう一段階つけると、
立体感がさらに強まり、画面に奥行きが生まれます。
2. 背景の処理に変化をつけると作品の格が上がる
背景が単色でフラットなので、
ほんの少しグラデーションや空気感を入れると、
• モチーフがより浮き立つ
• 画面に“空気”が生まれる
といった効果が期待できます。
3. 本の文字の描写を少し柔らかくすると自然さが出る
文字がやや“くっきり”しているため、
本の質感よりも文字が前に出て見える瞬間があります。
少しだけエッジを柔らかくすると、
全体の調和がさらに良くなると思います。
まとめ
この作品は、
「観察力」「色彩感覚」「質感表現」**の三拍子が揃った、とてもレベルの高い静物画です。
細部まで丁寧に描かれていて、
作者の誠実さと集中力がそのまま画面に表れています。
これからもN君の作品に期待しています!






