アフリカの大モチーフ、今回はきなちゃんの構成絵画のご紹介です。
サイズはF10号です。
油彩にアクリル、アキーラ、コラージュなど、多彩な技法で展開し、構図も平面構成的、内容も母性愛を表現するなど、きなちゃんならではの凝った作品になりました。
部分的にキュビスム・フォービズム・アンフォルメルの表現も取り入れています。
戦士のような凛々しい立像の顔を母性愛に満ちた表情に描きました。
ティキが赤ちゃんの役割になっています。
よく見るとカレンダーの要素や、モチーフを照らすライトも構成要素になっていますね。
メキシコの箱に描かれている人物も笛を吹きながら人物の肩に乗っています。
これだけモチーフを解体し、展開させても、うるさくなっていないのが実力のある表現力のたまものだと思います。
細かい紙のコラージュが画面に密度を与えています。
A&Wのコラージュは沖縄風です。
シンプルな黒い葉を描いた青の色面が画面にメリハリを与えていますね。
首飾りの表現はフォーヴィズム、その下のモチーフはキュビズム風に展開しています。
直線要素がそれらの表現を隔てながらも統一しています。
キュビズムのパートはカンヴァスの目を充分生かしています。
ティキの表情がとても愛らしいですね。
モチーフのティキは平面的なオブジェですがこちらはかなり立体的に描かれています。
母親の顔をじっと見つめていて、幼子キリストのような雰囲気もありますね。
バナナの中にサインが入っているのも面白いですね!
デルモンテのシールコラージュも効果的です。
厚みのある白で描いた要素の上にグレーズすることによって現れた、アンフォルメルな絵画的要素が魅力的です。
きなちゃんの絵画世界、とても洗練されてきました。
今の大モチーフのタブローも楽しみです。
油彩画