ゴヤの「巨人」、弟子の作品だった?
スペインからの報道によると、マドリードのプラド美術館の専門家らは26日、スペインの画家ゴヤ(1746?1828年)の作品とされてきた同美術館所蔵の「巨人」は、実際にはゴヤの弟子が描いた作品とみられるとの見解を発表した。
ゴヤは近代絵画の創始者の1人とされ、逃げ惑う人々や動物の上に力強い男性の裸体を描いた「巨人」はゴヤの代表作に数えられてきた。
しかし専門家らは、ゴヤは人物や動物を極めて入念に描くことで知られているが、「巨人」ではウマやウシなどの描き方が中途半端だと指摘。またエックス線で分析したところ、完成時の構図には反映されていない複数の下書きが見つかったという。
専門家らは「ゴヤは絵画を描く際、決してためらうことがなく、自分が何を描こうとしているのかをよく知っていた」として、こうした下書きはゴヤらしくないとの見方を示した。
「巨人」の下の部分にある2つの文字は、ゴヤの弟子アセンシオ・フリアの頭文字と読むことができ、「巨人」はフリアが描いた可能性があるという。ただ今回の見解には異論も示されており、専門家らは「巨人」とフリアのほかの作品を比較する作業を続ける。
ゴヤの「巨人」は、ゴヤの作品ではなかった?
スペインからの報道によると、マドリードのプラド美術館は26日、同美術館が所有するゴヤの代表作の一つ「巨人」は、ゴヤの作品ではない可能性が高いとの見解を発表した。実際の作者は、ゴヤの助手を務めていた画家、アセンシオ・フリアだったとしている。
プラド美術館は専門家による独自調査を行い、画面上に描かれた巨人の肉体描写に、人体構造を熟知していたゴヤのものとは考えにくいミスがあることや、周辺の自然や戦場描写にゴヤらしい繊細さが見られないことなどを根拠に挙げ、作者はゴヤではなかったとの見解を明らかにした。また、作品下方にある記号は、これまで「17」と見られていたが、「AJ」のイニシャルだとしている。
AJは、同作品が制作された当時、ゴヤの助手を務めていた画家のアセンシオ・フリアのイニシャルであるとし、同氏の作品との見方を強めている。ただ、最終的結論は、調査終了まで見送るとしながらも、ほぼ間違いないとしている。
「巨人」は1808年から12年頃に制作された作品と考えられ、戦争で平原を逃げまどう群衆の背後の雲海に巨大な男が、こぶしを握りしめ、怒りを全身にみなぎらせている大胆な構図の幻想的な作品として有名。ナポレオン軍の侵攻にマドリード市民が蜂起した時代に、戦争の狂気を描いた幾つかの作品の中の代表作の一つと考えられてきた。
ゴヤの「巨人」は、ゴヤの作品ではないのか?
スペインを代表する画家フランシスコ・デ・ゴヤ(1746?1828)の作品と見なされてきた絵画「巨人」が、実は他の画家の作品だったとする調査報告書を、所蔵するマドリードのプラド美術館が近く公表する。「巨人」は同館で最も人気が高い作品の一つ。
同館関係者によると、真の作者はゴヤの弟子アセンシオ・フリアとされる。この作品は動物の描き方に粗さが目立つなど、ゴヤ本来の作品との違いが指摘されていた。同館は昨年6月、作者がフリアである可能性が高いと発表、専門家による検証作業を続けていた。
「巨人」は1808?12年ごろの制作とみられてきた。今後も同館で展示されるという。プラド美術館はパリのルーブル美術館、ロシア・サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館などと並んで世界を代表する絵画館の一つで、ゴヤやベラスケス、ルーベンスのコレクションで知られる。
久々の「美術界情報」ですが・・・
これはただただ驚きです。驚愕です!!「巨人」がゴヤの作品ではない??まるで「草上の昼食」が広重作だったと分かるくらいありえない話です(笑)。2002年、西洋美術館で開催された「プラド美術館展」で、私は「巨人」を観ました。深い感銘を受けました・・・。
それにしても「17」が「AJ」だった??(笑)ただ、ゴヤ本人が描こうが、弟子が描こうが、「巨人」が西洋美術史上の最高傑作の1つであることには変わりありません。もしこの度の報道が事実ならば、”アセンシオ・フリア”の研究を進めるべきです。それも早急に!!この「巨人」ほど「西洋絵画らしい絵画」はそうそうあるものではない。あらゆる美術関係者はそれをもっと認識するべきでしょう。