熊さんの和風モチーフ油彩、完成しました!今回は絵具の厚塗り描法で描きたいと仰った熊さん。最後までその目的を貫きました!この画面、殆どの部分に絵具がたっぷりと厚く盛り上げられています。
分銅です。しっかりとしたチョコレート色が厚く盛り上げられています。金属の分銅表面はこんなにデコボコしていないなどと言ってはいけません(笑)。厚塗りはそれ自体が表現なので、時にはモティーフの質感と一致しない場合があります。しかしそれこそが絵の味となるのです!
陶器枕の猫周辺です。厚く盛り上げられた白に丁寧に描かれた青い装飾文様が実にマッチしています。バックの役者絵との関係もいいですね。厚塗りこそ、油彩独特の、他の絵具ではできない表現です(最近はアクリルも盛り上げ剤が豊富に出ていますがやはり油に比べて軽いです)。油絵が日本に伝わった頃、明治期には花盛りの表現でした。油絵は筆というよりペインティングナイフで描く絵、というイメージがありました。佐伯祐三とかいい例です。しかし今では厚塗りに拘る人は減ったように思いますね。これからもチャレンジして下さいね熊さん!