昨日完成!!T所さんの点描油彩画3作目です。ずっとこのブログで紹介していますが、今回の作品、今まで以上に洗練され、点描でありながらも、ぱっと見にその「点を打つ行為」が、さほど気にならなくなって来ています。大変自然な空間です。モチーフはベトナムの親子象さんポーター、アンティークガラスの香水瓶、木製ブロック、ピンク地に白水玉の布です。
象さんポットです。愛らしい表情ですね。白い陶器の中にこれだけの色彩が探せるのは素晴らしい感性です。陶器の中の「絵」がそのまま絵画としての「絵」に転換されております。
香水瓶です。透明なガラスの中に踊る色の点の表情をご堪能下さい。ガラスの透明感を出すにも最上の技法と言えましょう。ラベルの描写も丁寧ですね。
木製ブロックです。木目の表情も美しく、硬い木の質感も充分です。穴の空間、リアルです!手前より穴の向こう側の方を明るくしてるでしょ?これはいい工夫ですね!逆にしちゃう場合が多いんですが、逆だと当たり前すぎて面白くないんですね。本来暗く見えそうな所をあえて明るく。現実の光を逆転させる事によって、より現実に近づく場合もあるのです。
ピンク水玉布です。皺の描写が綺麗ですね。皺で出来る影の色が実に工夫されています。水玉も1つ1つ、色味を少しずつ変化させています。凝ってます!赤い色の幅が並ではありませんヨ。
バックも素晴らしいですね。物と同じように「空気を描く」。これぞ点描派の画家の醍醐味でした。T所さんもその域に近づきつつありますね。青と赤のコントラストがそのままバックの空間として成立しています。サインも気持ちが入っていていいですね。この作品は是非実物を観て頂きたいと思います。みなさん、授業の時によくご覧下さい。次回作(久々にデッサンご希望です)とても楽しみですね!!