演習コース

第54回 演習コース(2017.5.13開催)

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第53回と54回の演習コースのテーマは「傘とキーホルダーの意外な出会い」です。
ご参加の皆さん、かなり進めてこられた様です。
 

本題の前に、5人画の検証も行いました。
 

ディスカッションの時間まで、細かい仕上げに入ります。
 

大変レベルの高いサトミちゃんのデッサン。
コンセプトも明快で分りやすいです。
 

マムマムさんの油彩です。
2つのモチーフの出会いの場を花として表現しました。
傘とキーホルダーを目立たせるために白い百合を選ばれたそうです。
百合の中に傘が咲いていたり、つぼみが閉じた傘になっていても面白いのではと
意見が出ました。
とても質の高い表現ですが、メインのテーマが花にすり替わらない様に注意が必要です。
 

デッサンもよくまとまっていて綺麗ですね。
こちらの方が傘とキーホルダーが自然に溶け込んでいます。
 

2点並べてのバランスもいいですね。
油彩はバック全体に統一感があり、デッサンではテーブルの線のようなものが見えるのが特徴になっています。
 

サトミちゃんが傘を講評棒のように使用して意見を述べます。
 

傘の形態は色々と変化するので、どのような形体を画面に使用するかが鍵です。
 

スズキさんが傘の形態変化についての実演をしてくれました。
 

スズキさんの作品、カラーです。
前回の計画とは変化し、シンプルで造形的な作品になりました。
物語的・風刺画的な作品も見たいですが純粋にコンポジション化
しようとする姿勢は共感できます。
傘と、壁にかかったキーホルダーが鏡に映っている設定です。
タイトルは「鏡の中の出逢い」。傘はあえて水玉模様にしました。
 

こちらがそのエスキースです。
エスキースの方が状況的絵画になっています。
壺や装飾壁が描かれてどこかの洗面台のようです。
よく見るとトランプもあります。
 

2点並べました。
モノクロとカラーのバランスが良いです。
モチーフそのものをダイレクトに伝え、マン・レイや赤瀬川原平の作品を意識されました。
 

コンセプトについて丁寧に解説するスズキさん。
 

きなちゃんの作品です。
マグリットにならい、傘とトランプキーホルダーを巨大化しました。
前回の色々なアイデアから厳選しました。
傘の上の無限大のマークはタロットの大アルカナ1「魔術師」から取りました。
様々な世界観が同居する作品で面白いです。
傘の中の空と雲はもっとマグリット風にリアルに描いても良いですね。
傘の回りを飛んでいる生命体が現実のような空想のような生命体で魅力があると思います。
右下の船も不思議な形態です。
 

こちらがデッサンです。空間がスッキリ通っています。
こちらでは傘の紐が無限大の記号になっています。
ここまでリアルに描くならそれぞれのモチーフの質感がもっと出ても良いかもしれません。
 

2点並べてみました。
同じような構成ですが島の位置や鳥の止まっている場所など違いがあります。
今回、得意な茶系色を使わなかったので、新鮮な色使いですね。
 

制作上の悩みや、難しかった部分の話をするきなちゃん。
 

色々なアイデアの中から、この構成を選んだ理由を説明します。
 

最後はサトミちゃんです。
リングが中心となったストーリー性のある絵画です。
回りの矩形にはこれから、様々な工夫が成される予定です。
楽しみですね!
 

カラー作品のエスキースです。
緻密な構成絵画です。
天井には星座が、床には青空が広がります。
傘をスクリュー状に捉え、柄もリアルに描写しています。
 

非常に質の高いデッサンです。
物語性があり、その物語が具体的にわからなくても感覚的に
処理できるレベルに到達しております。
このキーホルダーのデザインは、ポーカーのストレートフラッシュなのですが、それではゲームが終わってしまうので天井に見えるカードは5枚ではなくあえて4枚にしている所など本当に面白いです。
一種殺風景な部屋にも見えますが、壁の一見コンクリートの打ちっぱなしのような表情にトランプの模様が入っていて、それがこの絵を殺風景に見せるのを防いでいます。
「生と死」「夢から現実へ」という重いテーマも表現した傑作です。
鉛筆の黒の発色もとても綺麗ですね。
普段の制作での木炭デッサンの力が反映しています。
 

エスキースとカラー作品を並べてみました。
コンセプトが分りやすいですね。
 

そこにデッサンも加えてみます。
壮大な構成になりました。
 

複雑な内容をわかりやすく話すサトミちゃん。
 

みなさんの議論も白熱し、なかなか終わらないディスカッションになりました!
 
さて次回の第55回演習コースは2017年6月3日(土)17:00からになります。
ご希望の方はお問い合わせください。

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