第27-28回の演習コースは、「配布されたオペラグラスを自由に扱って制作する」です。
オペラグラスの形・質・色など外観の魅力と、覗いた時の世界観(用途)など、いろいろな要素を見つけて描いて頂きたいと思います。
オペラグラスはKenko製、Pliant 3×25 色は4色(GOLD/PINK/BLUE/BLACK)を用 意しました。
色は先着順で選んで頂きます。
ご参加の4名の会員様、早速エスキースにとりかかります。
オペラグラスという、なじみのある道具も、色々と機械的な面白さを発見できます。
丁寧にスケッチを始めるスズキさんです。
サトミちゃんは、透明ケースにも注目しています。
このように本体だけでなく、付属品にも色々なヒントが隠されています。
順調にイメージを出していくますみちゃん。オペラグラスに階段状の形が加わって、建築物の様になってきました。
恥ずかしがって見せてくれないマムマムさん(笑)。
モチーフ棚をオペラグラスで見てみるスズキさん。
新たな発見があったでしょうか。
それぞれの世界観を時間内でスケッチしていこうと、みなさん真剣です!
頭を抱えながらどんどん描くますみちゃん。
とても面白くなりそうです!
サトミちゃん、展開図のような画面を繰り返し描いています。
設計図を見た時のワクワク感が伝わってきます!
「手」も要素として入りそうですね。
スズキさん、モチーフ棚を覗いて見た表情を紙に描写し始めました。
本日は「アートラボはしもと」の学芸員、村上様がご見学に来られました(後列左)。
11月に私が「アートラボはしもと」で行うワークショップの準備のため、わざわざ見学に来て頂きました。
それではディスカッションの始まりです!
本日の課題に入る前に、前回の課題の作品「西洋美術と東洋美術の融合」を、スズキさんが2点仕上げてきたので、まずはその意見交換からです。
日本の浅間山をモチーフにした作品と、ピアノがモチーフとなった作品です。
浅間山作品です。
前回の白い段階に高い完成度があったのですが、このように色が入りました。
削って出した線が、白い時の方が主張があったとご意見が出されました。
「コンサート」です。
平面的な色面世界と赤い線描のピアノがとても不思議な世界観を出しています。
サトミちゃんからは「シンプルな面構成と、木のモヤモヤ感、線描のピアノの3つの要素の対比が、西洋と東洋の融合を感じさせる」とご意見が出されまました。
それでは本日の作品です!
マムマムさんの「小さき戦い」です。
小さいもの、大きいもの、目の3つの要素で構成しました。
小さいものはクモ、大きいものは鳥、画面ではそれを逆転させているという構成です。
オペラグラスから、色々と発想が出てきましたね。
「大と小の差をもっと激しくした方が面白い」
「ぱっと見、クモの巣が星に見えた。星のようなクモの巣の質感をどう表現するか?鳥とクモ・・・奥深い表現になりそう」「エスキースと完成作品が違うのでこの段階では分らない(笑)」
などのご意見が出ました。
今回のディスカッションは最初からとても盛り上がっています。
マムマムさん2案目。
水の中の歪んだ世界をオペラグラスで覗いたところです。
「グラスや瓶をモチーフとすることに対しての説得力の問題」
「オペラグラスの扱いが説明的ではないか。」
「オペラグラスは無くても良いかも。」などの意見が出ました。
ますみちゃんです。
オペラグラスを普通に覗く、逆から覗く、ドラえもんの「ガリバートンネル」のように、子供が大人に、大人が子供に・・・それを動物で表現する、というイメージ世界です。
「カエルは全体でなく一部でもいいかも」
「色をいっぱい使った絵にして下さい!」などど言われ、モノクロで描くとは言えなくなったますみちゃんでした(笑)。
サトミちゃんです。
オペラグラスの展開図を元に、スケルトンケースの要素や、部分の面白さを加えました。
伝統的な構成作品だと思います。
オペラグラスが、大きく見ようとするとボケて、小さくなるとくっきりする、というレンズの特性も画面に入っています。
指をリアルに入れたいとも考えています。
「一部に色を入れるモノトーン絵画が表現としては面白いのではないか」
「指をキュビズム風に表現できそう」との意見も出ました。
スズキさん1作目です。
真ん中が大きく、周りが小さく見せるというオペラグラスで覗いた世界です。
中央の女性はヌード、犬も愛らしく入っています。
スズキさん2作目です。
風景画での構成です。
樹木の扱いが特徴的です。
スズキさん3作目です。
アトリエの天井の梁とモチーフ棚をオペラグラスで覗いて表現してみました。これも、大小の逆転です。
3つのエスキース、どれを絵画化するか、意見が分かれます。
ご本人は3作目が良いと思われていましたが意外と1作目も人気でした。
「全部描けば?」との意見がマムマムさんから出ました(笑)。
最後に、本日の演習ゼミをご見学された「アートラボはしもと」の村上学芸員様から、感想を頂きました。「それぞれの会員さんの個性と、作品の背景を尊重しながら、ディスカッションではすばらしく積極的な意見交換をされ、質の高い内容ですね。」とお褒め頂きました。村上さまありがとうございます!
次回の第28回演習コースは今回の第2回目になります。10月4日(土)18:00スタートです(この日のみ、通常より1時間遅れで始まります)。2回目だけのご参加も可能ですので、ご希望の方はお早めにお申し込み下さい。
演習コース