イズミンさんの油彩画のご紹介です。
ワインとコーヒー豆をメインにした静物油彩です。
バックは広大な田園風景です。
これだけの要素をF6カンヴァスに表現したことにまず驚きます。
観念的な再現描写とは程遠い、思想を持った作品だと思います。
ピンクの布の大きな皺も、モチーフと背景をつなぐ要素として重要です。
また絵具の乗せ方が独特で、点描画のような、新印象派的な表情も合わせ持っています。
ワイン瓶に様々な色が入っているのがお分かりになると思います。
ラベルの文字・花の絵も細かく点で描かれていますね。
蓋とラベルの白い部分に付いた陰影の色味が綺麗です。
瓶の輪郭にも色々な表情がありますね。
ワイングラスと葡萄です。
統一された描法で描かれています。
グラスには背景の風景が映りこんで、臨場感あふれる作品になりました。
モチーフそのものの影はもう少し強めでもよかったかもしれません。
葡萄の粒1つ1つの存在感も立派ですね。
コーヒー豆の袋です。
未開封です。
中にコーヒー豆がいっぱい入っている重量感を感じます。
やや粗めの点描もいい雰囲気です。
布に走る皺の流れがとても大胆で、作品全体にリズムを与えています。
作者のセンスが色濃く現れております。
コーヒー豆の下に走る皺の形が意図的です。
イズミンさんは実際の布にこのような皺を作られましたが、
かなりの部分、画面上での創作です。
サインの紫もいいアクセントになっています。
背景に広がる雲も、カンヴァスの目をうまく生かした表現になっています。
白からグレーへの移行に色幅があります。
古典技法での雲や空は、たっぷりと絵具を乗せて描くのが重要です。
バックに描かれた遠くの樹木までの距離感が出ました。
瓶などの大きな静物との関係が一見不思議な雰囲気になっています。
超現実主義的な部分もありますね。
イズミンさんの油彩、独特の表現に到達しそうですね!
油彩画