ケイコさんが大変素晴らしい油彩画を完成させました。大きな帆船を中心にしたモチーフに加えて、自分なりに色々な要素をアレンジした構成油彩です。船と水玉布とバックの提灯、向日葵の関わり方がとても面白いですね。色彩とマティエールにも凝った作品です。
皮で出来ているような帆の表情が魅力的ですね。色を何層にも重ねて複雑にしています。中央の帆には3つ、シンボルを描きました。上から3つ目のドラゴンのマークが大変立派です。マストに結ばれた糸がリアルな船体の空間を表現しています(面相筆で細く描きました)。バックの水玉が徐々に溶けて空に変化していくのも素敵なアイデアです!
胴体の存在感も凄いですね。流れるような筆のタッチが大胆です。台座にある”SNIDGET”の船名が、あなたをファンタジーの世界へと誘います。
バックには大輪の向日葵が咲いています。太陽の象徴でもあります。よく見ると向日葵の中に舵と船が描かれていますね。更に小さい舵もあるのが面白い工夫です。提灯は空に踊ってお祭りのようですね。厚塗りの青空表現も良いですね!
水玉の動きが布の皺、ドレーパリーを表現し、台の存在感も出ました。よく観察されています。この観察眼があるので、ケイコ流幻想世界にも説得力が出ます。”t keiko t”のサインもきれいなアクセントになっています。
画面右下の3本の黄色い横棒、これが画面全体を支える重要な役割を担っています。微妙なバランスで緊張感がありますね。ケイコさんはこの作品の後、いよいよ今回の大モチーフ油彩画制作にとりかかりました。S15の大作です。完成を待とう!
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