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初めての木炭デッサン

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こんにちは!
つじゆみのブログってデッサンは大事って話ばかり…と言われてしまいそうなので、
今回は「デッサンって色々だよ!」って話をしたいと思います。
やっぱりデッサンの話か…と思った方!読むの止めないでください!
デッサンはデッサンでも今回は「木炭デッサン」の話メインです。

木炭デッサン…聞いた事はあるけれど、普通のデッサン(鉛筆デッサン)と描く道具が違うって事くらいしか知らないという方が殆どではないかと思います。
正解です!描く道具が違うんです。描く道具が変わると何が変わるのか、まずは作品を見てみましょう。

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木炭デッサン(MBM木炭紙半分250mm×325mm)
作者:ハクさん
制作時間:10時間
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しっかり色が乗っているだけでなく、木炭の特有の柔らかく淡い表現もとても綺麗ですね。ハクさんは木炭デッサンが初めてという事ですが…
瓶やパプリカのシャープに描く部分や反射など、慣れない木炭では描き難いと想像される部分もしっかり描写できているのは、ヒュッテ歴5年が成せる技だと思いました。

モチーフはこちらです。

今、「シャープな描写が描き難い」と言ってしまいましたが、デッサンで使う道具なのに描き難いてどういう事?と疑問が浮かぶかと思いますので、簡単に木炭と鉛筆を比較してお話しします。

デッサン用の木炭というのは、芯が剥き出しでパステルやクレヨン、チョークの様な形状です。しかも、炭なので柔らかく(木の種類によりますが、一般的に使用されるヤナギは柔らかいです)鉛筆以上に
粒子で描くイメージです。なので、広い面を同じトーンで一気に色をつける事やガーゼを使ってボカしたりという表現の自由度が高いです。
一方で鉛筆は線の表現がとても得意なのと、細部の描写の狙いがつけやすいです。というのも芯を細く削り出す事が出来るという最大の強みがあるからです。そして、硬い芯でも扱い難い事がないのでハッチングなど線を重ねて描写するという表現に幅があります。

「木炭は柔らかく広い面、鉛筆は硬くシャープな線」がそれぞれ得意という特徴があります。一長一短ですが、これは木炭と鉛筆に限らず絵の具の種類でも言える事なので、
様々な道具を経験して、自分の表現と相性の良いものを見つけるのが良いと思います。

その特徴を踏まえた上で、ハクさんの作品を見ていくと、
木炭が得意とする柔らかな表現を背景のレースのカーテンとモチーフの下に敷いた布で上手く取り入れられています。
表現とモチーフの相性がとても良いですね。一方でパプリカは全く異なる表現で描かれています。

これは「消し具で描く」というスキルを感じます。
デッサンをする時に使用する道具に「消し具」があります。
つまりは消しゴム、練り消しの事なのですが、デッサンのレベルが上がってくると、消し具を消す事よりも整えたり色を抜き取る事で描いたりする事に使うシーンが増えます。

なので、木炭はシャープな線を描くのが苦手となれば、木炭が苦手としている表現は使い慣れた消し具を使って表現するという発想になったのではないでしょうか。
文字にすると当たり前な感じがしてしまいますが、デッサンの経験値がないと発想もできないと思うので、
ハクさんのキャリアが成せる技である事は間違いないと思いました。

木炭デッサンの回で消し具の話になったら私には伝えたい事が1つあります。
木炭の粒子、パンを使うと凄く取りやすいんです。
しかも、バターが少ない食パンが使い勝手が良いです!

木炭の消し具にパンを使うのを知っているという方も多いと思いますが、そのパン選び、気をつけて下さい!

「良いパンを使えば上手に描けるかも」という浅はかな考えを持った高校生の頃の私は、
パンに含まれるバターで木炭紙に油染みを作った事があります。
作品の画面、しかもそこそこ目立つ場所を汚すという致命的なミスをしたせいで、
よく描けたブルータス(石膏像)のデッサンは完全にお蔵入りになりました。

皆さんがこれから描くかもしれない、大切な木炭デッサンの作品を汚さないように…
本っっっっ当に油染みの後悔は大きいので!
消し具用のパン選びの注意喚起をさせていただきました。

木炭デッサンと鉛筆デッサン、同じデッサンですが違う事を感じてもらえましたでしょうか。
デッサンにも種類があってそれぞれ違う表現が出来ると知ったら、色々面白く感じてきませんか?

鉛筆デッサンは既に経験を積んでいて思い通りに描けるという方は
描き味と仕上がりの違いを体感してみてください。
鉛筆デッサンを頑張っているけれど、ラベルとか細部ばかり描きたくなって全体感が弱いと言われてしまうが
どうしたら分からない…という方は全体を捉えて描きやすく、細部が描き難い木炭を一度経験すると鉛筆デッサンも変わると思うのでぜひ挑戦してみてください!

そして、とにかく興味は湧いたけど何して良いかわからない…という方や、いろいろな道具を使って様々な表現に挑戦したいと思った方は画材使い放題のアトリエヒュッテの体験教室に参加されてみてはいかがでしょうか?

「体験教室リンク」

今回はハクさんの木炭デッサンを見ながら、デッサンの面白さ感じていただけましたでしょうか?

それではまた次回。

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