yayaちゃんの新作デッサンです。
F6画用紙に鉛筆です。
前回記事の油彩画と同じ今期大モチーフです。この鉛筆デッサンは「光と形だけでどこまで語れるか」という挑戦になっており、その比較の中で見えてくる強みがいくつもあります。“構造の確かさ”と“観察の深さ”が前面に出ています。
【1. 形の理解がより明確に伝わる構図】
三角構図ですが、鉛筆ではより骨格がはっきりと見えます。壺を中心に、パンと果物籠が左右で量感を支え、背景の皿が奥行きの基準点として機能する構造はそのままですが、色がない分、形の配置の正確さがより際立っています。壺の縦方向の量感、パンの水平の安定感、果物籠の斜めのリズムが互い
に補い合い、画面の重心が非常に安定しています。また本来は黒い下の板を白い大理石に変化させ、画面にメリハリを与えています。
【2. 光の方向と階調の整理が秀逸】
鉛筆デッサンの核心である「光の流れ」がとても明快です。壺の丸みを出すグラデーションが滑らかで陶器の重さがよく出ており、パンの表皮の乾いた質感は短いストロークで自然に表現されています。果物の球体感はハイライトの位置と影の柔らかさで丁寧に描写され、籠の編み込みは一本一本の明暗差が整理されていて立体感が強いです。
【3. 背景の処理】
鉛筆で微妙な調子が空気感を作り、静物が自然に空間に収まっています。壁のトーンが単調ではなく揺らぎがあり、皿の影が奥行きを生み、壺との距離感が明確です。全体の空気の湿度まで感じられるような柔らかいトーンが魅力です。
【4. 質感の描き分けが色よりも明確に見える】
鉛筆だけでこれだけの質感差を出せるのは高度な観察力の証拠です。壺の硬質な光、パンのざらつき、果物の滑らかさ、籠の規則的な編み込み、花の柔らかい葉のトーンなど、触覚的な情報が強く伝わります。
【5. さらに良くなる可能性のあるポイント】
壺の右側の影をほんの少し締めると量感がさらに強まり、花の葉の一部が平面的に見えるので影の芯を少し強めると前後関係が明確になります。果物籠の奥側の編み込みをわずかに弱めると距離感が自然になります。ただし、いずれも方向性の調整であり、現状でも十分に完成度は高いです。
【総評】
鉛筆での形の理解、光の整理、質感の描き分けが際立っています。
作者の技術の幅が広い証拠であり、成熟さを感じさせます。
次回のyayaちゃんの作品も楽しみです!









