静物画

ケイコさんの「天使のいる大モチーフ(油彩 F15)」

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2013年9月いっぱいまで設置の「天使のいる大モチーフ」、完成作品が続々と登場しています。
まずは、F15という大画面で制作したケイコさんです。
これは見事な作品になりました!横構図がピッタリの構成にするため、両側のバックに暗めの色彩に花びらが舞うという空間を作りました。
天使のラッパに合わせて花びらが円を描いて踊っているようですね。
 

天使の描写がとてもリアルです。
本物そっくりというレベルではなく、その精神性をリアルに描き表していると言えますね。
細かい襞や、髪の毛、羽の細部にいたるまで色幅もあり、マティエールも重厚です。
 

天使の全体です。
右側のバックの厚みや花びらの流れと天使の動きが見事に呼応しています。
ラッパの音色まで聴こえてきそうです。
座っている100年以上前の百科事典の歴史的に古い感じもよく出ています。
 

ユリの花です。
西洋絵画では純潔のシンボルでもあります。
花だけではなく花びら全体のラッパ型の形、それらとつぼみで形作られた大きな花束の空間がよく出ています。
バックの青い布の布の皺の表現が花を生き生きと見せていますね。
 

青い瓶の存在感を出すのに苦労しましたが、最後は透明感も出て充実しました。
カンヴァスの目を上手く利用しています。
 

フランスパンがとても美味しそうです。
チーズやサクランボも絵的なリアルさに満ちています。
花びらがテーブルの上とパンの上に落ちていて、バックとの自然なつながりを形成しています。
台の上の布の皺はバックの布の流動的な皺と対称的に直線の皺になっていて、画面のコンポジションに幅を与えました。
このあたりは、ケイコさんがレギュラーで参加されている演習コースの成果だと思います!
 

なんとも不思議なバックです。
これだけ油絵具をナイフでタップリつけても空間に重さがありません。
でも軽くもなく、向こう側の世界の表現としては絶妙だと思います。
ケイコさんは、間違いなくこの作品でステップアップされましたね!!

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