油彩画

イマイズミさんの色彩豊かな油彩F8

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20140611_01
イマイズミさんの見事な静物油彩画のご紹介です。
やや上から見下ろした視点で花車のある静物を表現しました。
この作品には作者の解釈が色濃く反映されています。
この絵をモノクロ写真で撮影したら、とても調子の幅のあるデッサンに見えると思います。
イマイズミ会員のデッサン力・構成力をとても感じる作品になりました。
 
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花の絵の具の乗せ方がとてもいいですね。絵具の厚みがそのまま花びらを感じさせます。葉の緑色にもとても幅があります。
 
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花車の木の表情を、ペィンティングナイフを使って上手く表現しました。
金色の鋲、プレート、針金の車輪もとてもリアルですね。
プレートは、その彫ってある文字まで感じ取ることが出来ます。
車輪は針金の円柱としての立体感まで出せました。
ピンクの布に落ちた花車の影の色味にも幅があります。
 
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マスカットも必要最小限の描写で説得力があります。
普段の授業で、なかなか思うように描けない方は、モチーフの見方が漠然としている場合が多いです。
「見る」のではなく、「眺めている」のです。
このマスカットの表現は、積極的に「見る」事の重要性を教えてくれます。
光が当たって、明るく描き起こす葡萄の粒と、影の中に入れて処理している粒の表現の差が絶妙です。
 
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蔓の表現もとても丁寧です。
隅々まで、蔓の先まで見逃さないで表現するという作者のデリケートな観察力が伝わります。
バックの深みのある青との相性も抜群ですね。
 
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ザクロです。
輪郭の所に注目しますと、何度か描き直されているのが分ります。
油彩画独特の修正の表現です。
その描き直した跡が表現そのものになっているのですね。
こちらも花と同じく、油絵具の盛り上がりが、そのままザクロの肌合いになっています。
シャープな布の皺もいいですね。
そのラインが画面に生き生きとした表情を与えています。
 
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サインも迫力がありますね。
描ききった!という作者の満足感が伝わってきます。

20140611_08
冒頭でお話ししました、この作品のモノクロ写真です。
これだけでも見事なデッサンになっていますね。
いかに空間の調子の幅を捉えているかがよく分ります。
彩色画のベースには、必ずデッサン力必要なことががこの画像を見るとお分かりになると思います。
イマイズミさんの作品、これからも期待できます!

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